研究内容RESEARCH
社会医学研究
社会医学研究について
医者は患者を診て、病を治すことを生業とする。しかし、一人の医者が生涯において治すことの出来る患者は一握りである。このため、医者は病に隠された見えない部分をナノレベルあるいはマスレベルとして理解しようとする。日常診療で思いついたクリニカルクエスチョンをマスレベルで確認し、また、そこに潜む病態をナノレベルで裏付け、再び臨床で検証するサイクルを繰り返すことによって、より良い医療が多くの患者に届けられる。
当講座は、がん診療を軸として基礎・臨床・社会医学のリエゾンを非常に大切にしています。臨床医学が病める個人へのアプローチを中心とするのに対し、実践的な個人へのアプローチを有しながらも、広範な健康レベルを有する集団や社会システムへのアプローチを中心とするのが社会医学であり、当講座では、わが国におけるがん治療の動向や課題を明らかにすることにより、がん患者に対するより良い医療の提供につなげることを目指しています。
このために、リアルワールドデータ研究開発講座や臨床情報腫瘍学講座と連携して、全国のがん治療の実態(リアルワールド)を把握して活用するための新しいデータベースシステムの開発や、多施設連携体制の構築に取り組んでいます。また医学部附属病院・医療情報企画部との連携によりレセプトデータを用いた医療ビッグデータの解析も行っています。