研修及び専門医TRANING

大学院について

大学院への進学を悩んでいる皆様に

我々が日々がん患者さんの診療を行っていると、多くのクリニカルクエスチョンに直面します。しかし、現場のカンファレンスや文献検索だけではその答えがみつからない・・・・もう少し深く勉強してみたい・・・卒後、臨床の現場でトレーニングを積んだ先生方はふとそんな感情が芽生えることもあろうかと思います。大学院はこうした深く勉強する機会を与えてくれる場所です。大学院で研究や実験に参加することは敷居が高いと思いこんでいませんか?大学院に進学することは医者を続けていくうえでどんな意味があるのか?と思ったりすることもあると思います。

大学院への進学の勧め

京都大学腫瘍内科学講座では大学院生として入学した際に自分がどういったことをしたいのかということを尊重し、それぞれにあった研究テーマを考案します。それぞれメンターを割り当て、その指導を受けながら自分のもつクリニカルクエスチョンに思い切りぶつかり、議論することのできる場を用意しています。臨床現場から少し離れて基礎の実験手法や原理を理解し、直面した問いに対してどういった実験を行えばそれを明らかにできるのか、なぜそうなるのかといったことを、「論理的に深く考え、答えを導く思考過程を学ぶ」ことができる、このことが大学院に進学して今後自分が医師として成長していくために必要なトレーニングであると思います。同時に当科は臨床の教室ですから、多くの臨床研究がおこなわれており、最先端の臨床研究がどのように立案されて実施されているのか、その現場に触れることができます。このような研究環境で4年間しっかりと勉強したことは、大学院を卒業した後も、自分が医師として成長していく上でとても大切な経験になったと実感できます。大学院卒業後、自分が希望すればさらに研究を発展させて継続することもできますし、また臨床現場に戻って自分の得た知識や倫理観を臨床に還元することができると思います。大学院への進学は臨床医のステップアップとして是非お勧めいたします。

大学院のシステム

2022年3月現在7名(留学生1名)の大学院生が研究に取り組んでおります。ベトナムから留学生も加わり、大学院生の部屋で和気藹々と、ときに議論を交わしながら大学院生生活を送っています。研究テーマに沿ってそれぞれにメンターがつき週1回の研究カンファレンスを通して指導を受けながら、学位の取得をめざすとともに研究成果を国内・海外での学会発表や論文発表に繋げていきます。また、京都大学内外の他の研究室やペンシルバニア大学、コロンビア大学、スタンフォード大学、ベイラー大学など海外の大学との交流を通して様々な研究計画を自主的に進めています。

大学院生のある一日

大学院生のある一日

腫瘍学コースについて

基礎腫瘍学の概念と基本的技術の習得や、多様な臓器における臨床・腫瘍学の最新の知識と研究の動向を理解させ、独自の研究を展開しうる広い視点と技術をもった人材の養成をはかります。月例ミーティングや合宿に参加し、学位研究の進捗についての発表を行います。

大学院入試

毎年9月上旬頃が出願期間となり、11月頃に大学院試験が行われます。試験は医学・生物学(各分野から出題)、英語の学力検査、口頭試問が行われます。大学院試験に際して過去問の入手方法や試験対策などには在籍中の大学院生が直接親身にご相談に乗りますので是非ご一報ください。

大学院の見学について

いつでも受け付けております。研究室や臨床現場も含めて見学は可能ですので是非ご相談ください。