先輩の声
若手医員の声
専攻医(〜2020年)
土井 恵太郎
腫瘍内科を選んだ理由
患者さんに「いい人生だったな」と感じてもらう手助けができるのが腫瘍内科だと考えたからです。治癒不能な悪性疾患と診断された時点で、患者さんの人生は想定よりも短く区切られてしまいます。様々な不安や症状に負けず充実した時間を過ごしていただく手段としての化学療法に魅力とやりがいを感じたため、腫瘍内科を選びました。
担当した入院症例の数(専攻医の期間で)
4人前後の医師からなるチーム制で入院症例を担当しました。週に4,5件の入院がありましたので、年で延べ200例以上の入院症例を経験したことになります。
担当した外来症例の数(専攻医の期間で)
私は専攻医1年目(医師3年目)から化学療法外来の枠をいただきました。1年目は週に1日で5人程度、2年目は10人程度、3年目は15人程度の診察でした。2年目から他病院での化学療法外来も担当するようになり、そちらでは週に1日で10人程度の診察でした。
出勤から退勤までのスケジュール
京大病院での1日
08:15 | 出勤 |
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08:30 | 病棟チームカンファ・朝回診 |
09:00 | 病棟業務 |
10:30 | 新規入院の対応 1時間程度の臓器別ユニットカンファ(cancer boardにあたる)が1日1、2件 |
16:30 | 病棟チームカンファ・夕回診 |
17:30 | 残務対応 |
18:30 | 退勤 |
週に1回程度、腫瘍内科・消化器内科当直・副直あり。
専攻医2年目以降は平日に1日、他院勤務となる医師もいる。
土・日に他院勤務をする医師もいる。
私は子供が生まれた際に育児休暇を1ヶ月程度取得した。
学会発表の数および論文執筆・雑誌原稿執筆の数
専攻医期間中、学会発表は年に3回、論文2本(共著)、雑誌原稿2本。
上級医との相談のしやすさについて
上級医との相談は非常にしやすい環境ですし、基本的にみな議論好きです腫瘍内科の性格上、相談対象になりやすいのは標準治療にきれいに乗せられない症例が多く、正解のない状況であることがほとんどです。ある上級医について相談していると他の上級医も議論に加わってくれることが非常に多く、問題について深く広く理解することができます。
腫瘍内科の特徴(他科との連携など)について
外科、放射線治療科、病理診断科、遺伝診療科、緩和治療科などと連携し、根治の可能性の模索やよりよい治療の検討をしています。免疫関連有害事象への対応として腎臓内科、内分泌科、消化器内科、呼吸器内科とも連携しています。また、オンコネフロロジー、カーディオオンコロジーなど学際的な分野の診療・研究に関して、腎臓内科、循環器内科と共同で取り組んでいます。
将来の目標
抗癌剤が全く効かず、短期間で命を落としてしまう患者さんをしばしば経験します。そのような方は病状に対する理解が追い付かず、不安と焦りが空回りして、人生を振り返る時間もなく最期を迎えてしまう場合があり、このような方を減らしたいと考えています。せめて1年は時間をつくってあげたいと考えていますので、「担当患者さんの1年生存率100%」を目標に研鑚に励んでいます。